ワークブースの耐用年数は何年?間仕切りとの違いも解説 - アイ・スペース

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ワークブースの耐用年数は何年?間仕切りとの違いも解説

ワークブースを設置すると、会計処理の仕方で困る場合があります。ワークブースの耐用年数がわからず、減価償却で悩んでしまうのが典型的な問題です。この記事ではワークブースの耐用年数について、複雑な面も含めてわかりやすく解説します。間仕切りとの関係もご説明しますので、設置したワークブースの状況に応じて適切な形で会計処理をしましょう。

ワークブースの耐用年数とは

ワークブースの耐用年数には2つの意味があります。耐用年数の意味をまずは簡単に確認しておきましょう。

使用上の寿命

耐用年数は、単純に「寿命」という意味があります。メーカーが自社での試験研究によって、安全性や品質などを加味して何年間使用できるかを明示しています。耐用年数が長いほど、購入から長く使用できるので費用対効果が高いと考えられます。ただしワークブースでは、寿命という意味での耐用年数をメーカーが定めていることはあまりありません。長期的な使用を想定して設計・製造されているためです。

会計で必要な法定耐用年数

耐用年数は、会計上では「法定耐用年数」を指します。減価償却資産の耐用年数は、国税庁によって定められています。固定資産について何年で減価償却できるかを定めたのが耐用年数です。耐用年数が長いほど毎年計上できる減価償却費が小さくなります。耐用年数が長いと、長期的に減価償却費を計上してコツコツと節税できるのが魅力です。一方、耐用年数が短ければ短期間でまとめて償却できるため、当面の節税効果を高められるメリットがあります。ほとんどの場合、耐用年数といえばこの法定耐用年数を指すことが多いです。

ワークブースの耐用年数は何年?

ワークブースの耐用年数は、ワークブースの仕様によって異なります。ボックス型のワークブースには可動式のものもありますが、建物に固定されているものもあります。ここでは2種類のワークブースの耐用年数を説明します。

可動式ワークブースの場合

可動式ワークブースの場合、建物附属設備に該当します。建物に固定化されていない設備の一つとして位置付けられるからです。建物附属設備は構造や用途によって分類されていますが、地方公営企業法施行規則の別表第二号の有形固定資産の耐用年数にはワークブースが直接該当する項目はありません。そのため、「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」に該当します。

可動式ワークスペースが主として金属製のものであれば耐用年数は18年です。木製やプラスチック製などのワークブースは耐用年数が10年になります。

参考:e-GOV|地方公営企業法施行規則

建物に固定されたワークブースの場合

建物にワークブースが固定されている場合には、ワークブースは建物の一部として解釈されます。建物の耐用年数は構造や用途によって異なります。例えば、事務所にワークブースを設置した場合には、木造では24年、鉄骨鉄筋コンクリートの場合には50年が耐用年数です。金属造の場合には骨格材の肉厚によって22年(3mm以下)、30年(3mmを超えて4mm以下)、38年(4mmを超えるもの)になります。建物の築年数に関わらず、ワークブースを設置した時点から減価償却を始められます。

ワークブースの耐用年数に基づく減価償却の方法

ワークブースの耐用年数がわかれば減価償却費を計上できます。ここでは可動式ワークブースの場合と、固定されたワークブースの場合で減価償却の方法を簡単に解説します。50万円の樹脂製のワークブースを、鉄骨鉄筋コンクリートの事務所に設置したときを例にして紹介します。

可動式ワークブースの場合

樹脂製の可動式ワークブースの場合、10年が耐用年数です。50万円で設置したワークブースは10年間かけて毎年5万円ずつ減価償却費として計上します。10年が経過した時点で減価償却が完了します。

建物に固定されたワークブースの場合

建物に固定されているワークブースの場合、耐用年数が50年です。50万円で設置したワークブースは、50年間かけて毎年1万円ずつ減価償却費として計上します。

ワークブースと間仕切りの耐用年数の違い

ワークブースにはボックス型ではなく、間仕切りを組み合わせたものもあります。セミクローズ型やオープン型と言われるワークブースです。間仕切りでワークブースを作るときと、ボックス型のワークブースを設置するときには耐用年数が違う場合があるので注意しましょう。ここでは間仕切りと見なされるときの耐用年数について解説します。

固定された間仕切りとの違い

間仕切りが建物の固定されている場合には、ボックス型のワークブースでも間仕切りでも考え方は同じです。建物の一部と見なされるため、間仕切りの耐用年数は設置した建物の種類によって変わります。ボックス型のワークブースを設置する場合と耐用年数が同じです。

可動間仕切りとの違い

建物に固定されていない可動間仕切りの場合には建物附属設備になります。ボックス型のワークブースと大枠では同じ種類になりますが、地方公営業法施行細則で可動間仕切りが定義されているので耐用年数は異なります。可動間仕切りの耐用年数は簡易なものは3年、その他のものは15年です。ワークブースとは違って金属製かそれ以外かといったことは関係なく、簡易なものとして見なされるかどうかによって耐用年数が決まります。

簡易なものかどうかの判断基準は明確ではありません。一般的には一枚板で天井まで届かない間仕切りは簡易なもの、天井まで達するものや防音性の配慮をしたものなどはその他に該当します。

仮に60万円の可動間仕切りのワークブースを設置したとしたら、簡易なものの場合には減価償却費が20万円で、3年間で償却を終えることになります。簡易なものに該当しない可動間仕切りのワークブースの場合には減価償却費が4万円で、15年間かけて償却します。

ワークブースの会計処理をするときの注意点

ワークブースの会計処理をするときには、購入金額と購入時点の勘定科目を確認することが重要です。安価な間仕切りを購入した場合には固定資産にならず、消耗品費として処理する場合があります。10万円以下で少額資産にもならないワークブースの場合には耐用年数に関わらず、一括で処理することが必要です。ワークブース設置工事の費用も含めて固定資産になるかどうかで会計処理の方法を決めます。ボックス型のワークブースでは、10万円以上の費用がかかるので基本的に減価償却の対象になります。間仕切りを使用してワークブースを作るときには注意が必要な点です。

まとめ

ワークブースの耐用年数は、ボックス型でフルクローズの場合、可動式なら10年または18年、固定されていたら建物の耐用年数に従います。フルクローズではない場合、間仕切りとして取り扱うのが原則です。固定された間仕切りは建物の扱いになるので、ボックス型で固定されたワークブースと同じ耐用年数になります。可動式間仕切りの場合には、簡易的なら3年、それ以外なら15年です。

ワークブースを設置するときには、耐用年数によって減価償却の仕方が変わります。ワークブースの設置を検討する際には耐用年数の違いも意識すると会計処理をしやすくし、財務上のメリットも得られる可能性があります。

弊社では、オリジナルのワークブースの販売とリースを行っております。ワークブースの選定や会計処理についてお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の要望に合ったご提案をさせていただきます。